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第三十三話 紅

last update publish date: 2025-08-25 04:58:16

第三十三話    紅《べに》

冬も終わる頃、昼間の暖かさを感じれるようになってきた。

そして、頬に温かさを残している者がいる。

片山である。

片山は、鳳仙が触れた頬の感触が忘れられずにいた。

『ボーッ……』 仕事をしているものの、少しすると鳳仙を思い出しては こうなってしまう。

(重症だな……) 禿の三人は、遠目で見ていた。

「古峰~ ちょっと……」 妓女のひとりが古峰を呼ぶと

「は~い。 姐さん、行きます」 そう言って大部屋に向かう。

玉芳が厳しく言ったことから、禿に厳しく言うことは減っていた。

古峰も段々と警戒は薄れ、返事も明るくなっていた。

(やっぱり玉芳花魁は凄い……) 梅乃の理想は玉芳であり、いつかは玉芳のようになりたいと思っていた。

昼見世の時間、妓女は張り部屋に入る。

ここで顔を売り、夜に指名を貰う為である。

段々と暖かくなり、人足も増えてきたころ

「古峰も中に入りなさいな~」 そう言って、張り部屋に古峰が引きずり込まれる。

「あ、あの……」 口下手な古峰は、上手く断れずにいた。

そして、妓女の一人が化粧道具を持ち、古峰に化粧をする。

「あわわわ……」 化粧をされるのが
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